グリース談義

大仏2号です。

さて今回は前回のハブグリスアップに絡めた話でグリースについてのあれやこれやです。マニアックな話なので興味の無い方はスルーの方向で。

グリースとはなんぞや。簡単にいうとスポンジに浸み込んでいるオイルが過重によって染み出すことによる潤滑とでも言ったらよいのでしょうか。と、細かいことは置いといて偏にグリスと言っても色々な種類があるものです。

 写真の右からは定番のシマノのデュラグリス。20年ほど前はこれ使っときゃ間違いなかろうと使っていたものです。成分は今でも変わっていなければカルシウム石けん系だったかと思いますが、水に対しても程よく乳化するように作られている可もなく不可もなく安定したグリスといった感じでしょうか。乳化し易いのでグリス分が流れ出てくる事が多いですかね。

 右から2番目がシマノのローラーグリスです。ある程度のグレードに使用されているローラーブレーキ専用のグリースです。成分は二硫化モリブデン+添加剤を配合した極圧と耐熱性をアップさせてるグリスなのかなあなんて思っているので他のグリスでも流用できそうな気もするのですが、なんせブレーキ関係なので専用品を使ってます。

 右から3番目がワコーズのハイマルチグリース。ウレア系で耐熱、耐過重、耐水といった過酷条件下で威力を発揮しますが、いかんせん耐水性が良すぎるのと硬いせいもあってか高回転のハブなどには不向きです。でも力のかかるヘッド周りには最適です。

 4番目がワコーズのWR959という、車のGTカー等のハブベアリングに使われているリチウムコンプレックス系のグリスです。少量でも性能を発揮し、ローフリクション効果が得られます。自転車でもハブに少量の塗布で使ってやるとスムーズな回転を得られますが、いかんせんお高い商品で、なんと1kgで¥16000(@_@;)。これは以前に知り合いのところで計り売りしてもらいました。自己満足ですな(^^ゞ

 5番目がワコーズのシリコングリース。主に車のブレーキ周りに使うグリスですが、自転車ではケーブルのアウター入り口やガイドに塗っておけば防水と潤滑の両方を得られます。あと樹脂などへの攻撃性が無いためシフター内部の樹脂パーツなどにも使えます。スプレータイプもあるので、自宅では門扉のキーキー音がある時などに使ったりもしてます。金属と樹脂のようなワッシャーで支えられているので重宝します。

 6番目がベントン系のブレーキプロテクター。粘着性が強く車のパッドグリスとして使われていますが、自転車にも使えないこともないです。以前、どうしても鳴きやまないディスクブレーキのパッド裏に少量塗布したら止まりました。でもベトベトになるのでメンテナンス性は悪いです。それよりもBBなどのキシミ音防止で使うと大体直ります。キャノンデールのCADDによく使われてたと思います。

 7番目がスレッドコンパウンド。銅紛と亜鉛が配合された特殊なグリス。ネジの焼き付き防止に使われるものですが、自転車でもBBワンなどに使うとネジ山を傷めることなくカジリ付きも防止するので次回のメンテナンスする時にも便利です。欠点はなんだか茶色いウ〇コ色なので見た目汚いです。まあ組み付けてしまえば見えませんが。

 8番目がワコーズのスーパーマルチグリース。リチウムコンプレックス系で100%合製油にフッ素樹脂を配合したもので、マイナス50℃まで変化のないグリスです。グリースは寒い時期に硬くなって抵抗になるなんてことがありますが、これは寒さ、熱さ共に非常に安定しています。それとグリースはちょう度(硬さ)も選べるのですが、自転車向きとしては1号の一番柔らかいものが向いていると言われますが、このグリスに関しては2号でちょうど良い加減の柔らかさが得られます。370gで¥2500と業務用ではちょっとお高めですがこのグリスを一番多様するのでジャバラで購入したものをミニグリスガンに充填して使ってます。まあ名前のとおり『スーパーマルチ』なので(~_~)

 

さてさて、では一般車にそんな良いグリスって必要なの?って話ですが、修理していて一般車だからこそ良いグリスを使わねばと思うことが多々あります。例えばBB(ボトムブラッケット)ペダルを回す付け根とでも言っらたよいでしょうか、その部分に写真のようなリテーナー(ベアリング状のもの)が入ってます。

見てのとおり右が新品左が使用後です。少しガタが出ているだけでもこのような状態です。軸受け部にはこれを押さえるワンがあるだけなので緩んだりするだけですぐに水が入りダメージを受けます。

また自転車の中でも非常に力のかかる箇所なのでグリス切れも早いのです。

これが今のスポーツ車やグレードの高い自転車になるとカートリッジ式のシールドベアリングが採用されており丈夫なベアリングと水の入り難い仕様になっているのです。それを思うと一般車の貧弱さたるや・・とは思うのです。だからこそこのような箇所の耐久性を上げるにはグリースなどの性能も要求されるのではと(一般車でもカートリッジ式に交換することができますが)。

 またもや長文になってしまいましたが、レース仕様や高いスポーツ車などは高級パーツが付いてることもさることながら、雨風に晒されてもすぐにメンテナンスもするでしょうから、それに比べたら通学車やママチャリと言われる車両は非常に過酷な条件下で走り回っているのだと思います。そいう意味では一般車だからこそ縁の下の力持ち的なグリスやオイル類に頼る部分も大きいのではないかと思うのです。

 お付き合いありがとうございました。

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